酵素シロップの基本的な作り方をご紹介します。
酵素シロップは、発酵させないといけないので、酵素シロップが出来上がるまでに10日ほどかかります。
りんごの酵素シロップが作りやすいので、ここではりんごを例に酵素シロップを作っていきましょう。
酵素シロップの基本的な作り方 1日目
●用意するもの
保存瓶、スポンジ、まな板、包丁、計り
●材料
りんご・・・約1kg
砂糖(上白糖)・・・約1kg
砂糖は発酵によってブドウ糖と果糖に分解されますが、カルシウムの吸収を阻害したり、血糖値を上げたりする白砂糖の併害はありません。
●下準備
1、手を水でよく洗う。
石けんで手を洗うと、手についている発酵に必要な微生物(常在菌)まで洗い流してしまうので、水だけでていねいに洗うのがポイント。
常在菌
人には、病原菌や刺激から体を守るために働く常在菌と呼ばれる菌が存在します。
酵素シロップ作りでは、手で混ぜることで手のひらにある常在菌を入れ込むことが最大のポイント。
これによって、発酵そのものを促すとともに自分の体に合った酵素シロップが出来上がります。
2、保存瓶を熱湯で消毒する。
小さめの保存瓶なら鍋に湯を沸かして煮沸消毒し、大きい保存瓶なら熱湯をあふれるまで注ぎ、少しおいてから湯を捨てる。
さて、いよいよりんごの酵素シロップを漬けていきましょう。
りんご酵素シロップの作り方
1、りんごは流水でよく洗う。
スポンジでこするように洗うと表面のワックスや汚れもきれいに落ちる。
洗ったら切る前にキッチンペーパーでしっかり水気を拭き取る。
2、縦に4~6等分に切り、皮と種ごと5~7mm厚さくらいに切る。
薄く、細かく切るのがポイント。
切断面を多くすると発酵が早まります。
特に、酵素の活動が鈍い冬に仕込むときは、小さく、薄く切るようにしましょう。
皮やヘタ、種も入れましょう。
3、(2)の重さをはかって確認し、同量の砂糖を用意する。
砂糖は仕上げ用に全体の2割(ここでは200g)を別にしておく。
皮や種をとる場合は、この時点での正味重量で砂糖の量を決めることが大切。
4、漬け込み用の砂糖から200g程度をとり分けて瓶の底にまんべんなく広げる。
5、りんご半量を(4)の上に広げ、その上に残りの砂糖の半量(ここでは300g)をのせる。
6、(5)の上に残りのりんごを均一にのせ、残りの漬け込み用砂糖(ここでは300g)をのせる。
りんごと砂糖をなじませるように手でまぜる。
上下を返すようにまぜるのがコツ。
このとき、食材をもんだり潰したりしないように注意!
砂糖がりんごの表面全体にまぶされるように混ぜることで、発酵がスムーズになります。
また、前に作った酵素シロップがあるときは、大さじ1程度加えると発酵が安定します。
7、別でおいていた仕上げ用の砂糖(ここでは200g)を、全体を覆うようにしてのせる。
砂糖でフタをするのは、食物が発酵する前に空気に触れて酸化しやすくなるのを防ぐため。
以上で、漬け込み完了!!
早ければ2~3時間もすると、砂糖が溶けだして馴染み始めます。
軽く蓋をして、直射日光の当たらない風通しのいい場所に置きましょう。
室温は20~25℃くらいが理想。
酵素が息ができるように、完全に密封しないようにして下さい。
完全に蓋をしめてしまうと、発酵によってガスが発生して、ふたが飛んだり、瓶が割れることもあるので注意!
また、酒類や酢、みそ、しょうゆなど、発酵食品の近くにおくとその影響を受けてしまうことがあるので、近くにおかないようにしましょう。
酵素シロップの基本的な作り方 2日目
2日目以降は、基本的に朝晩2回、少なくとも1日1回は手で全体をかきまぜましょう。
下から上にかき上げるようなイメージで、空気を入れるようにやさしく20~30回ほど混ぜます。
漬け込むときと同じく、かきまぜる前に石けんでは手を洗わずに流水でよく洗うようにします。
体調が悪いときは、常在菌も弱っています。
可能ならば、誰か元気な人に混ぜてもらいましょう。
発酵が完了するまでにかかる時間は、季節や食材、天候や室内の環境、混ぜ方などによって異なりますが、だいたい5~10日が目安。
冬の寒い時期は2週間~3週間ほどかかることもあります。
気温が低いと発酵が進みにくいので、瓶全体をバスタオルなどで包み、保温すると発酵しやすいです。
手に傷があると、傷についている雑菌が酵素にまざってしまうので、傷のない手の方でまぜましょう。
漬け込み後2~3日
溶けきれない砂糖が底の方にたまっているので、まぜるときは砂糖をすくい上げるようにしながらかきまぜましょう。
混ぜると細かい泡が出るようになってきます。
漬け込み後4~5日
りんごの水分と色の色素が出てきて砂糖に色がつき始め、だんだんと水分が増えます。
こまかな泡が出てくると発酵が始まっている証拠!
酵素シロップが出来上がるまであともう少し!
発酵の目安
・細かい泡が表面にたくさん浮いてきたとき
・野菜や果物から水分が抜け、しわしわになってきたとき
・野菜や果物が浮いて上に上がってきたとき
・混ぜているときに、容器の中が「ふわっ」と温かく感じたとき
・味見して甘さがまろやかになったとき
・砂糖の味が消え、素材そのものの味が感じられるようになったとき
発泡は、発酵が順調に進んでいるサインのひとつですが、泡が出ないからといって発酵していないわけではありません。
冬はなかなか泡が出ないこともありますが、毎日混ぜ続け、14日たったら発酵完了と考えてOK!
発酵後、何日もおいておくとアルコール臭がしてくるので長くおかないように注意。
ただし、途中で、嫌な匂いがしたり、カビが生えてしまったときな飲まずに捨ててください。
発酵が完了したら材料を濾す
発酵がピークを迎えたらシロップを濾します。
●用意するもの
・ザル
・シロップを受ける容器
・ボウル
・ガーゼ
・シロップ用の保存容器
1、ザルの下にシロップを受ける容器(またはボウル)を置き、発酵が完了した素材をシロップごと入れて濾し、シロップと果肉に分ける。
果肉がシロップに浸らないよう、浅めのザルを使うとよいです。
ヘラなどで押したりせずに、自然にシロップが落ちるまで待ちましょう。
濃度があるので、この状態で一晩おくと、無駄なく濾すことができます。
2、濾したシロップを再度ガーゼで濾す。
ボウルにザルをのせ、ガーゼを敷いて(1)のシロップを濾す。
2度濾したシロップは熱湯消毒した瓶に移す。
2度に分けて濾すことで、シロップの発酵が進み続けるのを抑えることができる。
酵素シロップの保存方法
濾したあとも少しずつ発酵が進み、ガスが発生したりするため、酵素シロップを保存する容器は軽く蓋をするか、ラップをかけて輪ゴムなどで留め、小さな穴を開けるとOK!
そして、発酵が進みすぎないように冷蔵室で保存します。
酵素シロップは、冷蔵室で1年ほど保存できますが、2~3か月で風味が失われるので、適量を作るのがオススメ。
残った果肉
残った果肉にも酵素がたっぷり含まれているので、密閉容器やファスナー付き保存袋などに入れ、冷蔵室で保存します。
砂糖漬けのような感覚でそのまま食べるほか、料理やお菓子作りにも使えます。
また、ネットに入れてお風呂に入れれば、酵素風呂になります。
酵素果肉は発酵が進みやすいので、冷蔵保存しても2~3週間で使い切りましょう。